遊ぶように働く(5)
このタイミングでのつるたろうパーキングの土地売却は、十分ベターな選択だった。
大阪市中心部路線価は、10年前のリーマンショックから5年間ほど下がり続けていた。しかしインバウンド需要の影響もあり、路線価は2012年頃に底をうち、2013年以降は上昇に転じている。
うちの会社は1980年代以降バブル前もバブル後も、時期を選ばす土地を買っていた。事業用に関しては隣地ばかりで、そのすべてが相場より割高な価格での購入だった。
ところが、そんな長い不動産購入歴で、唯一適正価格で買ったのがこの駐車場だった。この危機的な状況で、会社の営業に支障がないという物件があったことは幸いだった。
でも、そんな呑気な話でもない。
当たり前だが、パチンコ店の営業、組織、財務というヒト、モノ、カネに向き合う現実と向き合わなければならない非常事態に変わりはなかった。